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過敏症さんと暖房事情。暖房器具が使えない、そのわけは?

こと | 2025.11.12

冬はカナリアン(化学物質過敏症)さんにとって、少しきびしい季節です。

・エアコンをつけると頭が痛くなる
・石油ストーブで吐き気
・新品の家電のにおいに耐えられない

冬は空気がこもりやすく、反応が出やすい季節。
暖房器具から発生する化学物質や電磁波が、思わぬ不調の引き金になることもあります。

「どうして暖房がつけられないの?」
「寒さをしのぐにはどうしたらいいの?」

カナリアンさんの視点から、冬を乗り越えるためのヒントを整理してみました。


01|過敏症さんと冬の暖房事情


使える暖房器具が限られてしまう
化学物質や電磁波に反応しやすいカナリアンさんにとって、使える暖房器具は本当に多くありません。

🔥 石油ストーブやファンヒーター
燃焼時のにおいや排気ガスだけでなく、燃料そのもの(石油)に反応してしまう場合もあります。
給油の際のにおいや、使用中のわずかなガスでも、喉の痛み・頭痛・倦怠感が出る方も。

💡 エアコン・電気ストーブ
電気を使うことで発生する電磁波や、プラスチック部分から揮発する化学物質が問題になることがあります。
とくに新品や最新型は素材の加工が複雑で、化学物質が抜けるまで時間がかかります。

⚡ 電磁波過敏症を併発している場合
スイッチを入れただけで体がビリビリしたり、強い倦怠感や頭の圧迫感が出てしまうこともあります。
そのため、暖房器具そのものが使えない方も。
冬は布団やオーガニックコットンの毛布にくるまって過ごす方も少なくありません。

 


熱で化学物質が空気中に広がる
新品の家電には、プラスチック・塗装・接着剤などの化学成分が多く残っています。
暖房器具は熱を発するため、使用中に成分が空気中に飛びやすくなり、部屋全体に広がってしまいます。

ホルムアルデヒド、トルエン、スチレンなどの揮発性有機化合物(VOC)が原因で、
「喉の痛み」「頭の重さ」「息苦しさ」などの症状が現れることがあります。

暖房をつけた直後は、急激に化学物質が飛びやすいタイミング。
使用する際は、換気をこまめに行うことが大切です。


化学物質が抜けるまでに時間がかかる
昔の暖房器具は構造がシンプルで、素材も限られていたため、化学物質が早く抜けやすいものでした。

しかし近年は、軽量化・抗菌加工・コーティング技術などが進み、素材が複雑化。
その分、化学物質が抜けるまでに時間がかかるようになっています。
1シーズン通してベイクアウトしても、完全に抜けきらない場合もあるほどです。


オイルヒーターは使えるの?
比較的安全とされるオイルヒーターですが、カナリアンさんによって合う・合わないは分かれます。

・新品時のオイル臭や塗装臭に反応する場合

・電磁波過敏症の方には使用が難しい場合
などもあります。

「最初の数週間は別の部屋で使用して反応を確かめる」「古いモデルを譲ってもらう」など、
自分の体がどう感じるかを慎重に確かめながら使うことが大切です。


02|過敏症の奈保子さんが行っている工夫

①古いストーブを掃除して毎年メンテナンス

古い製品は化学物質が抜けきっていて安心して使えることが多いです。
セスキ水や重曹などのナチュラルクリーニングで掃除をして状態を保ち、長く使えるようにしています。


②不要になった古い暖房器具を譲ってもらう

新品を買うよりも、長年使われていた家電のほうが化学物質が抜けきって反応が出にくいことがあります。
信頼できる・事情を知ってくれている家庭や会社で使われていたものを譲ってもらうケースも。


③しばらく別の部屋や屋外で運転してから使う
すぐに室内で使わず、数日~数週間ほど通電して揮発性の成分を抜いてから使用。
製品によってはベイクアウトに数年かかる場合もあります。


④電気を使わない方法を選ぶ
湯たんぽなど、電気を使わずに体を温める方法を工夫している方も多いです。
暖房を使わずにオーガニックコットンの毛布やシーツにくるまって暖を取る方もいます。


こうした工夫は、「自分が安心できる環境をストックしておく」ことにもつながります🌸
使えるものがないと思うと不安になりますが、第2案・第3案を用意しておくことで、その不安は大きく減ります。
安心できれば、心も体もリラックスできます。


少しずつ「自分に合うぬくもり」を見つけていくことが、
冬を安心して過ごすための第一歩になります。

あなたの冬が、少しでも穏やかでありますように☕️🌸




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